名古屋市の中川区について、詳しく解説するサイト『河童の街、名古屋市中川区』

●●●荒子●●●

【荒子観音】

前田利家の生誕地とされる荒子城址の富士天満社から北に約200メートルに、尾張四観音
のひとつ荒子観音があります。
観音寺の歴史は古く、奈良時代の729年に泰澄和尚が創建したと伝えられています。
当初はここから北に1キロほどのところにあったのですが、荒廃してしまったそうです。
その後1536年に多宝塔が再建され、1560年に現在の場所に再興されました。
仁王門には円空がここで彫ったといわれている、大きな仁王像がふたつあります。
仁王像のある山門の先には、国の重要文化財に指定されている多宝塔があります。
多宝塔は再興された1536年当時のもので、名古屋市内最古の建築物です。
1575年に前田利家がこの荒子を離れる際、荒子観音の本堂を再建しました。
しかし幾度も火災によって焼失し、何度も再建されます。
明治時代に入ると濃尾大地震で、昭和に入り三河地震により倒壊してしまいます。
そして1994年には火災で焼失し、現在の本堂は1997年に再建されたものです。

【円空】

円空とは美濃国に生まれて日本中を旅した僧侶ですが、荒子観音の住職と大変気が合って、
1676年頃に何度も滞在し仁王像を彫りました。
円空が彫る仏像は木の自然な風合いを生かし、鉈ひとつで彫るという独特なものです。
木を生かすというのは彫り方だけではなく、彫った際に出た木端や踏み台にしていた木も、
全て仏像へとしてしまいました。
円空がこの荒子観音で彫った仏像は、1,200体にもなります。
小さなものは4センチと、木端さえ捨てることなく彫ったのです。
円空は30歳頃から仏像を彫り始め、生涯で12万体を彫ったそうです。

【若宮八幡社】

若宮八幡社の社殿の裏にはとても大きなタブの木があります。
幹回り2.5メートル、高さは17メートルで中川区で最初に保存樹に指定されました。